2003.2.2 【インタビュー】
  今後の成長が楽しみな、高校生年代
 

LADYWEB 今回お聞きしたいのは、先日、市立船橋高校の優勝で幕を閉じた、高校サッカー選手権についてです。まずは、今回の大会を通じて、高校生のサッカーの全体的なレベルはどうでしたか?

KOH先生 高校サッカーもひと頃はたいへん人気があったんですが、Jリーグができてから人気が下がってきていていたんですが、今年は決勝戦を成人式の日に、今年から固定するということで、久しぶりに国立競技場が立ち見が出ていましたね。

高校サッカーは今年は、わりといろいろ試合を見たんですけども、やっぱり全体的なレベルは上がっているなと思いました。試合自体はもしかしたら、以前の方がおもしろかったというような向きがあるかもしれません。それはどっちかというと、ドッカーンと蹴って走ってという一見迫力のあるサッカー、そういうサッカーをするチームが意外に高校年代とか若い年代の試合だと、勝っちゃうんですね。体力に任せて、ドッカーンと蹴って、トップにボンと当てて、落としたやつをズドンみたいな、わかりやすいというか、はっきりいうと古いサッカー。でも今年あたりは、全体的にテクニックが非常にあって、そして日本のサッカーの特徴である、中盤からの激しいプレス、プレッシングと早いパス回し、という非常にいいサッカーがたくさん見られたなと思っています。

それからすごく感心したのは、ボールの受け方が全選手とも非常に鍛えられているチームが多くなったことです。トラップをする時に、相手ゴールに対して背を向けていても、横を向いていても、必ず半身で受けるんですよ。次の視野が確保できるように。それはトラップの技術自体もよくないとできませんし、大事なのは習慣づけられていること。それに相手チームの選手からプレッシャーがきますから、それをスクリーンしながら、半身で必ず受ける。これは当たり前のことなんですけど、Jリーグの選手でも、できていない選手も多いんですよ。中田英寿なんかは、そのへんも素晴らしくて、玄人受けするさりげないところなんですけど。

LADYWEB 得点王になった、国見高校の平山選手はどうですか。とても話題になっていましたが。

KOH先生 いい選手ですよ、まだ2年生ですか。いい選手だと思います。
国見高校のサッカーについては、さっきいいました、体力で走り回って、ボーンと蹴って、激しいボディコンタクトでボールを奪って、というイメージが、サッカーファンの間でも強いのではないかと思うんです。国見高校は、高校サッカー選手権においては、帝京高校と並んでたいへん優勝回数の多い、超名門ですよね。ですが、サッカーファンの間では、誤解を恐れずにいえば、国見高校に優勝させたくないなという意識がどこかにあると思うんです。今年は国見高校と市立船橋高校との決勝戦だったんですけれども、国見のそういうサッカーと、市船のテクニックをベースにした組織的なサッカーとの闘いだと、だから、どうしたって国見高校が有利だと、みんないってました。あんなもう1回やれっていっても蹴れないようなスーパーゴールで市船が勝ったわけですが、正しくいうと、国見のサッカーは、もうそういうサッカーじゃないです。組織的なプレスもかかっているし、スペースを使う動きもあって、テクニックもある。ですから、高校サッカー自体が、体力任せで、ポコーンと蹴って、走り回って、相手を跳ね飛ばして、体も大きい方が有利という、そういうサッカーではなくなってきているということだと思います。
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