2000年11月29日(水曜日) |
Elvis本の中にElvis Day By Dayという本がある。Elvisは1969年夏にステージ活動(ライブ・コンサート活動)にカムバックしてから、77年にこの世を去るまで、わずか7年半の間に実に1200回近くのライブ・コンサートを行っている。 それが自らの消耗を著しく速めたことは、容易に想像されることだ。実際に、70年夏のライブを撮影した映画Elvis_That's The way It Isで見られるパフォーマンスと、72年4月のコンサート・ツアーを撮影した映画Elvis On Tourで見られるパフォーマンスには、ほんの1年半程度しか時間が経過していないという事実からは信じられないくらいの変わり様がある。その主たる原因は、70年秋以降、超過密になったコンサート・ツアー・スケジュールにあることは、誰もが認めることだ。 声の伸びにしても、映画Elvis_That's The way It Is撮影時までと、映画Elvis On Tour撮影時、あるいはその直前の72年2月のラスベガスのステージの声では、かなりの変化(衰え)を感じずにはいられない。以前は、どうしてわずか1年半程度の間にこんなに伸びがなくなってしまったのか不思議ではあったのだが、近年になって、70年秋ライブ音源、71年のライブ音源を聴くことができるようになって、その声の変遷を辿ることができるようになったわけだ。結局は、ハード過ぎるスケジュールによる咽の酷使に他ならないことは明白なのである。(また、76年以降の最晩年になると、今度は咽も張り裂けんばかりの絶唱を聴かせるようになってくるのだ。) しかしそれでも、たとえどんなパフォーマンスであろうと、Elvisのライブ・コンサートの音源に惹かれ続ける。たとえ、客観的には低調なパフォーマンスや声の調子であっても。 Elvis Day By Day....私がElvisのライブ・コンサートの音源に惹かれ続けるのも、このDay By Dayという言葉に集約されるように思える。調子の良いステージもある、不調のステージもある。昼のステージと夜のステージとの間で変化もある。それでも日々営み続けられたライブ・アピアランスに。 |
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